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 市民自治井戸端会議
 学習会「ポイントが貯まる図書館は快適ですか?−武雄市立図書館の事例−」(9)質疑応答その2
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【会場】
川原さんにお伺いしたいのですが、先ほど市議会のヤジとか市長のヤジとかネットで公開されている議事録等を見てびっくりしたんですけれど、なんで市長派議員とか増殖したんでしょうか、というがひとつ。もう一つは先ほど図書館の中を見せていただいたというかレポートがありましたけど、はっきりいってあれば商業施設だと思います。不思議なのはなんでそこに図書館を残しているのかということです。最初から商業施設1本でやった方がまだ儲けられるんじゃないかという気がしてなりません。これは質問じゃないんですが、私の郷里は大雪リバーネットというインチキ団体に震災復興費用をかなりむしられました。武雄市では市長自らリバーネットなんじゃないかなと思っています。

【川原さん】
市長派の増殖ということですが、これは個人的に思っていることですのでなんの根拠もないです。今からお話しすることは。それをお断りした上でお答えするとすれば利権です。やっていることはただ単に箱物なので。図書館の前は市民病院を民間に委託しました。そうすると土地の買収とか工事とかついてきますので、市長の取り巻きの企業に流れます。図書館もやはりそれと同じような構造ですね。今度は市庁舎の移転の話も出てきていますけれども、そこもやはり利権が絡んでいます。そこで内部分裂みたいなことが起こっているみたいですし、今まで市長派だった議員ところにカネが流れないので、来年の4月議会には出馬しないという議員が出てきたりしていて、内ゲバみたいなことが始まっていたりするのかなと思います。私が得たところからの情報だとそのようなことのようです。二つ目の質問も今の回答でOKなのかなと思うんですけれども、マスメディアが持ち上げるのは、さもなにかを開拓してすごいことをやっているというようにメディアが持ち上げるんですけれども、やってることは昭和の時代の箱物行政そのものなのでよく見ていただきたいと思います。

【会場】
図書館というところは結局本や資料を使うことが目的なので、その目的が達せられるのが一番重要なことかと思うのですが、そういう意味ではどこの地方公共団体でも、回りと図書館連合を組んで共通で本を借りられるとか、最近は国会図書館を通じた、いろんな図書館と連合して共同検索することを考えているようですが、先ほどいわれたとおり非常に特殊な整理の仕方を武雄図書館がしているということになると、回りの市との連合とか共同検索とか非常に難しくなるという気がするのですが、今の武雄市の図書検索の実態とか、共同というのは図書の利用の基本だと思うのですが、どうなっているのでしょうか。

【山本さん】
私はそこまで実態を細かく聞いているわけではありませんけれども、少なくとも以前いらっしゃった館長さん、それから職員の方、全部残ってるんですね。結局、CCCは図書館のノウハウを持っていませんから、どうしても従来からいる職員中心でそういう問題をやらなければいけないんだろうと思っているんですけれども、少なくともそういう方がいらっしゃる限りは、先ほどおっしゃったほかの図書館との貸し借りとか市外の人の利用の受け入れの仕方とか、棚に本を戻すこととかことは、職員の方ならそれなりにできていると思います。ですから、おそらく以前よりは減ってはいると思うんですけれども、そういう機能がなくなったとは思っていません。

【会場】
武雄近隣に親類がいる者でして、この度いろいろ地元の教師なりなんなりに話を聞いてみたんですけれども、一点、ご報告みたいな感じで、武雄高校が中高一貫教育を導入することになって、武雄青陵中学というのが最近できたんですけれども、そこに通う中学校の生徒は基本的には、武雄図書館というのは商業施設ということなので、下校時は寄り道は禁止ということになってしまったので、肝入りで始まった中高一貫教育のその学校でも商業施設というふうに判断しているということにびっくりしたということと、そのために結構遠方からいらっしゃっている送り迎えされている保護者のみなさんにとっては、図書館で勉強しながら待っててというのができなくてというのが、一つ困ってるということだったというのと、あと県立高校の教師については、佐賀県全体としては電子黒板とかタブレットの導入というのが進んでいるんですけれども、それに追いついていけない40、50代の先生が結構早期退職なさってて、それが大変な状況だと聞いているんですけれども、武雄問題というのは意外と佐賀県全体の気質というか、現状役職についていらっしゃる方の全国一っていうのが欲しいみたいなことも問題だと聞いたんですけれども、その辺がどうなのかなとご意見をお聞きしたいなと思います。

【川原さん】
気質的な話でいうと、佐賀は非常に保守的な土地柄で、良くも悪くもお上の言うことには逆らわないというような土地柄なので、市民のチェック機能が都会ほどきちんと果たされていないというのは確実に言えるかと思います。武雄青陵中が寄り道禁止というのは今初めて聞いたのですけれども、私の知ってる話だと、武雄高校の高校生は2階の学習室しか使ってはいけないというような指導がなされていたんですね。そういうような使用制限があるような図書館というのは、先ほどの図書館の利用に関する自由、開かれた運営というような話だと思うんですけれども…。もう一点、先ほどの質問で「図書館という名前を付けなくてもいいんじゃないか」という質問に答えていなかったのを思い出しました。これも私の個人的な話で言うと、図書館という名前を付けておかないと指定管理の委託料がもらえないんじゃないでしょうか。

【会場】
私が聞いたのはなぜ図書館機能を残したのかということです。

【川原さん】
図書館機能は、実際行かれて図書館として使おうと思うとわかると思うのですが、図書館機能はかなり崩壊していると思っていただいていいかと思います。例えば、蘭学書などの歴史資料などを研究者の方が閲覧しようと思っても、研究者の方に閲覧していただけるようなスペースすらないです。図書館の機能としては貸し出すだけではなくて、当然資料の利活用、研究に活かしていただけるような資料の保存等も当然機能としてはあるはずなので、貸し出しというところでは機能を果たしているのかもしれませんけれども、それ以外の機能は壊滅的なダメージを受けていると私は思っています。その辺は山本先生にお話しいただければと思いますが。

【会場】
先生の方から、図書館の機能について武雄の図書館に残っているのか、そして先ほど話に出た図書館の司書の職員の方の身分についても含めてお願いします。

【山本さん】
職員の身分はCCCに移っています。社員という形で。それから、図書館の機能としてというと、先ほどお話しした本を探せないというのは決定的な欠点ですけれども、今おっしゃったように地域資料、元々図書館であれば郷土資料は貴重な、その図書館にしかない資料ですから、資料を公開、活用していくというのは大原則なんですね。で、それはカウンターの後ろのところにあって鍵がかかっているんですけどね。何で鍵がかかっているのか。あれは職員に言って出してもらうんでしょうけどね。で、それをどこで見るのと言われても見るところがないですからね。それから、普通、図書館というのは本を貸すだけじゃなくて、本の使い方とか調べ方がわからないときに職員に相談するというのが、図書館の職員がいる意味があるわけですよね。でも、その機能が全然ないんですよね。サービスカウンターに座っている人も、以前からいた職員がたまたまそこに座っていてくれればもう少し対応が違うんだと思いますけれども、大部分の職員はこういう本を調べたいんだと言ったときに、タブレット端末で検索して、はいどうぞっていうだけなんですね。こういうことを調べたいと言うときには普通図書館というのはそういうことならこういう本とこういう本があって、この本にはこういう観点で書かれています、これはこういう本ですというような案内をするわけですよね。そういうことが一切ない。問われて、いわれた本だけ棚から見つけてきて「はいどうぞ」ということだけで終わってしまうということを、ある私の仲間があそこに行ってサービスカウンターで尋ねたらそんな対応だったよ、なんていうことを教えてくれましたけど、確かに見た感じからしても、サービスカウンター、とにかく職員が座るカウンターはそこしかないんですよ。そこに常時1人か2人かぐらいいるんだと思いますけど、その人が今言った機能でないというようなこと、それからさっきおっしゃったとおり、そこに広げて利用するスペースもないというのが現実で、図書館の機能が欠けてるなと思います。

【会場】
昨日、平塚での講演会にも行ってきて、今日はポイントカードということでこちらにも参加させていただきました。議員なんですけど、10月末に委員会視察で行ってきました。市長自らから説明するんですけど、話術が巧みで、先ほどお話しがあった図書館総合展というのを慶応大学の糸賀先生のことをバカだともうそういう言い方をしてまして、で、視察している議員は笑うわけですよ。私は笑えませんでしたけど、大阪の橋下市長と同じようなタイプの人だということがよくわかりました。それから、そういうことですから、話術に騙されてしまうというようなことで、批判的に参加をしないと「いい図書館だな」という形になる議員というのがたくさんいるのだろうなと思って、神奈川も海老名市がCCCと契約をするということで、これで全国で4番目でしょうかね。そういう形になってきています。それからなんでCCCがスターバックスも含めてあそこにいるのかということについては、図書館ではあるんですけど、図書館の中での目的外使用ということで、一番いいところ、ですから、「庇(ひさし)を貸して母屋を取られた」という、本屋さんになっちゃうのは当たり前のことでしてね、この辺の山本先生にお伺いしたいんですけど、こういう目的外使用ということを認めるとこういう形になっちゃうんでしょうか。その目的外使用を認めないという何か戦術というのはないでしょうか。それからあと、働く人たちのことも心配で聞いたんですけど、臨時職員の方たちたくさんいましたけど、それらの方たちはみんなCCCの雇用になったと言われていました。ですから、目的外使用というところで何か抵抗ができないか、ということをお伺いしたいんですけど。

【山本さん】
目的外使用というのは結構あるんですよね、あちこちで。私も以前図書館で仕事をしていて、その一角に食堂があるんですね。それを目的外使用させている、あるいはそこに自動販売機を置く。これなんかも目的外使用っていうのはあるんですね。ですから、それを法的に止めるというのはちょっとよくわからないですが、ちょっとあそこは「目的外使用」ではなくて「目的的使用」ではと(笑)。

【会場】
目的外使用が一番大きな場所を占めているわけですよ。そこを何とかしたい。

【山本さん】
それで、話がありましたとおり、蘭学館のあれは12月の議会で後から加わったんですよね。それも、手続きがどうなのかをちょっとはっきり聞いてないんですけれども、図書館は指定管理者なんですけれども、蘭学館の方はどうなんですかね。いろいろ疑問はあるんですが、昨日の会でも私も井上さんの話を聞きながら、ホントにあの市長は困ったもんだなと思ってるんですけど、おっしゃったように、視察の曜日がだいたい水・木と指定されているんですね。で、視察に受け入れようとするときは必ず前の日に武雄温泉に泊まるということが条件になってるんです。武雄温泉に泊まって視察を受ける。で、そのときはほとんど市長が手の空く限り、市長が対応してます。ですから、そのほかの職員から実情を聞くということが我々できないんですよ。私も1回教育委員会の担当者のところで話を聞いたことがあるんですけど、あまりこちらがいっても彼らが困るだけなんですね。やっぱり上から方針出されちゃってるから、職員が別のことを言えない、本音を言えないんですね。そんなこともあって、結局市長の口を通して議員さん、視察をした方に伝えられたことが報道されて全国に広がってる、ということで、実像っていうところが全然伝わってこない、問題点が伝わってない、というシステムだということがありました。それから、もう一つ昨日聞いた話では、2階に高い書庫をですね、そうすると建築基準法違反なんですってね。材質がベニヤというかそういったボードで作られていて、仕切りの壁を作るにはああいうのじゃダメらしいんですね。きちんとした丈夫な壁にしないといけないと。でも、そういう建築基準法に違反してるということを指摘しても、市長は「建築基準法が悪いんだ、自治体の自由にやればいいんだ」ということを言うそうなんです。そういうことを含めて、建築基準法の管理は建築主事の責任なんですね。市長の責任じゃないんですよ。そうすると、違法な図面に判子をおしたということは、その建築主事が責任を問われるわけですね。そういうことで居たたまれなくなって早期退職した人がいるという話を聞きました。市長の口を通して伝えられる情報だけが外に伝わってて、こういう実態が全然語られてないというのは非常に大きな問題、これは市長の資質というか行政運営の手法、全てが地方機能の問題があると昨日の話を聞いてつくづく思いました。

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