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 市民自治井戸端会議
 学習会「ポイントが貯まる図書館は快適ですか?−武雄市立図書館の事例−」(1)山本宏義さん-その1
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−山本宏義さん講演−

【山本宏義さん】
ご紹介いただきました山本宏義といいます。現在、所属は関東学院大学で司書課程の授業を担当しております。私自身は図書館現場で30年ぐらい勤めて、そのあと大学で司書課程を担当しているもので、どうしても図書館の話が中心になるのですけれども、ただお呼びいただいた中ではTポイントの話題とかですね、そういうことも関心がおありだということで、私が可能な限りお話をさせていただきますけれども、むしろそのあたりのことはみなさんどうかいろんな情報なりご意見なりいただいた方がよろしいかなと思っております。それから先ほど話しがありましたけれども、昨日平塚で講演会講演記録)がございました。武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会の代表の井上さんをお招きをして、神奈川県の図書館の関係団体、市民団体が共催をして共同で企画した講演会だったのですけれども、そこで井上さんをお招きして武雄のお話をお聞きしました。私自身は武雄に2回お邪魔しているんですけれども、図書館のことは見たり聞いたりでそれなりに判断つくのですけれども、いわゆる武雄の街とか武雄の行政のこととか、あるいは歴史だとかそういう背景については、インターネットで調べるぐらいの情報しか私は情報は持ってなかったんですね。昨日のところでの井上さんのお話を伺っていろんなことがわかってきた。それから例えば市長の行政手法といったこともかなり率直にお話しされていましたので、私自身がいい勉強になったなというふうに思っています。同じ会のメンバーの川原さんがおいでになっていますので、後でお話ということなので、武雄のことのほうはむしろそちらで聞いていただいた方がよろしいかなと思っています。

では、前置きはそれぐらいにして、わたしの方で準備させていただいたレジュメに従って少しお話をしたいと思います。大きく二つ分けまして、基本情報ということで武雄市のこと、武雄市の図書館のこと、それから指定管理者制度ということ、もう一つはCCCという会社ですね、これらの基本的なことをお話しして、それらを踏まえた上でどういう問題を私としては感じているかということをお話ししたいと思っております。

武雄市というところなんですが、佐賀県だといわれても、だいたい福岡と長崎の間ぐらいだということはもちろん知ってましたけど、そのなかで武雄はどこかということ、電車でどうやっていくのかということは知らなかったんですけれども、地図で見たり、実際行ってみたりして佐賀県の西部にあったり佐賀市と佐世保市の中間に位置している。地図で見る、実際に行きますと、佐賀県の武雄市と、話題になっている伊万里市は隣り合わせなんですね。山を一つ越えて、車で30分ぐらい行ったところにありました。歴史のことは詳しくはわからないんですけれども温泉が有名なんですね。今も最大の観光資源が温泉なんですね。ものの本によりますと記紀の時代から温泉が湧出しているというふうに書いてあるぐらいですから、相当古くから温泉が出ていた。だけれども、井上さんの言葉によると政争の絶えない街であったというようなお話がありましたね。結局、温泉の泉源を巡る争い、どうもそういうことがずっとあったことみたいです。それがずっと政治と絡んで争いごとが起こるということだったようです。温泉があること、それから長崎に通じる街道の宿場町でもあったということ、ですから歴史的には非常に古い土地柄だったんです。

その後、明治になりまして、明治22年、廃藩置県のあと全国市町村制が整備された年、そのときに町制が施行され町になったんですね。戦後になって昭和29年に市制を施いています。そのあと2006年ですから平成18年に北方町・山内町と合併と合併して、今の武雄市ができています。現在人口が約5万、面積が約200平方キロ、といっても山地が非常に多いですから市街地はそれほど広くないですね。面積だけいうと東京23区が620平方キロぐらいですから、それの1/3ぐらいということで、広さは結構広いですが、山地がほとんどですから市街地はそんなに広くありません。今の樋渡市長は2006年に就任しておりますから今2期目ですね。で、来年の4月が改選の時期ということで、それに向けての準備、まあ当然ですけれども進められているような、そんな状況です。

あと、経済産業ということで、第1次産業は2.5%、それで2007年に樋渡市長がレモングラスの栽培を奨励して特産品にしようということで、レモングラスというのはハーブの一種で、毛のようなハーブで、香辛料として料理に使うものらしいんですけど、その呼びかけに応えていくつかの農家が栽培を始めているんですけども、2011年には2.5ヘクタール、2012年5ヘクタール、2013年にはなんで2ヘクタールって減ってるのか、どうも先行きが芳しくなかったのかのですかね。第2次産業は11.0%で第3次産業は76.3%で、商業及び武雄温泉等による観光業が中心。それで駅の名前が武雄温泉駅なんですね。降りて駅前は、人口5万だからしょうがないかと思うんですが、閑散として、車はそれなりに走っているんですが、人通りというのはあまりなくて、図書館に行くまで歩いて10分弱なんですけど、あまり人通りがなくて。お店もポツンポツンという形でお客さんで賑わってるという雰囲気は全然なくて。図書館のすぐ近く道挟んでななめ向かい側に「ゆめタウン」っていうスーパーがあるんですね。資本がどこだかちょっとわかりませんけど、私、広島にも何年かいましたけど、広島にもありました。そこがある意味、主要な商店を吸収してしまったというんじゃないかと、自分の個人的な感想なんですけど。「ゆめタウン」は中に入ればぽつぽつ人がいるようですね。お昼食べようと思ってもなかなかお店が見つからなくって、「ゆめタウン」の中には飲食店がいくつかあって、というような雰囲気でした。それから本屋さんはゆめタウンの中の2階の隅の方に本屋さんがあるんですけど、それからDVDとかCDなんかも販売してるんですけど、図書館がああいうようになってからお客さんが減ったということを言っていましたね。というのが、私が武雄市について持っている情報といいますか、印象を含めてそんなところなんですね。このあたりはあとで補足していただければと思います。

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